音像の真剣勝負! メリッサ・アルダナ❌ゴンサロ・ルバルカバ
Melissa Aldana メリッサ・アルダナ Filin

メリッサの新譜
何とゴンサロ・ルバルカバを起用したバラード作品
メリッサの音楽に対するその真摯な姿勢だけでなく
アルバム制作における最も大切なエレメントである
演奏者の人選や作品のコンセプトづくりなど
そのプロデュースの慧眼にいつも感服してしまう
ゴンサロ・ルバルカバを起用した経緯と
アルバムの背景についてまとめてみようと思う
メリッサは長年、ジョン・コルトレーンの
『Ballads』のような「バラード・アルバム」
を制作したいと構想していたようで
以前から「いつか共演したい」と夢見ていた
ゴンサロ・ルバルカバの助けが必要だと感じ
バラード作品の構想が固まり始めた際に
彼へ直接オファーを出したという
また、このアルバムが単なるアメリカの
ジャズ・スタンダード集ではなく、
「Filin」という1940年代〜60年代にかけて
キューバで流行した、ボレロとジャズのハーモニー
を融合させたロマンチックな音楽スタイルを
取り上げる作品へと発展したのは
実はゴンサロからの提案がきっかけだったという
そして、アルバムの企画意図として、彼女自身の言葉
「音(サウンド)そのものの探求」
という深いテーマをに基づき、
空間を残し、一音一音に深い感情(フィーリング)を
込めることに焦点が当てられている。
メリッサ自身は、本作の背景や制作時の心境について
以下のように語っている
音の探求について:
「ソニー・ロリンズ、ウェイン・ショーター、ジョン・コルトレーンなどを採譜してきましたが、彼らにとって『音そのもの』が感情を表現するツールでした。すべての音符が一つの世界なのです。演奏には技術的な側面もありますが、私がまだ正確には把握しきれていない、音の神秘的な側面があるのです。」
「フィーリン」との出会いと自身のルーツについて:
「(フィーリンの楽曲は)私が愛するグレート・アメリカン・ソングブックのバラードのように感じられましたが、歌詞が母国語であるスペイン語であったため、これまで想像もしていなかったような深い形でこれらの曲とつながることができました。」
「スペイン語の歌詞を持つこれらの曲を深く掘り下げ始めたとき、ジャズ・ミュージシャンとしての自分の本当のアイデンティティが何であるかに気づいたのです。」
メリッサ自身の「自分の物語を語る」ことを掘り下げた
非常にパーソナルで内省的な美しさに満ちた作品に仕上がっている
動画を見てもらうと分かるが
一音一音の音像というか「音の粒」立ちの息遣いが
空間に紡ぎ出されていく様子は
とてつもなく緊密で油断のならぬ緊張感を
孕んでおり、聴くものを一瞬のうちに
惹きつけてしまう力を持っている
しかし、メリッサもすごいが
ゴンサロのピアノの確かさというか説得力は
異次元である
まさに、音の真剣勝負である
Melissa Aldana: テナー・サックス
Gonzalo Rubalcaba:ピアノ
Peter Washington: コントラバス
Kush Abadey: ドラムス
Cécile McLorin Salvant: ボーカル
1 La Sentencia
2 Dime Si Eres Tú
3 No Te Empeñes Más
4 Imágenes
5 Las Rosas No Hablan (カルトーラの楽曲)
6 Little Church (エルメート・パスコアールの楽曲)
7 Ocaso
8 No Pidas Imposibles
