世代を超えた魂の交感。老成とは何か?

Joe Lovano(ジョー・ロヴァーノ) / Paramount Quartet


73歳を迎えたロバーノは、この作品の制作にどのような心境で臨んだのだろうか?ベースのデブリアーノが71歳、ドラムのカルホーンが62歳と、長いキャリアを重ねてきた同世代のリズムセクションに、38歳のラージという三回り若い世代が加わる。その組み合わせから生まれる化学反応への期待はもちろんある。しかし、還暦を過ぎた今の自分には、むしろロバーノ自身の内面に強く関心が向かう。そこには、同時代を歩んできた仲間たちとの邂逅と、新しい世代の感性に触れ続けたいという尽きることない欲望の、二つのベクトルが共存しているように思える。ノスタルジーとスリル。歩んできた道のりを慈しみながらも未知へと手を伸ばす姿勢。その両者がせめぎ合うところに、老成した表現者にしか到達できない境地が宿るのではないだろうか。

【本作の聴きどころ:3つのポイント】

  • 偶然の出会いがもたらした「極太のグルーヴ」
  • ジュリアン・ラージによる「透明でアンビエントな色付け」
  • アルバムタイトル「Paramount(最高峰)」に込めた決意



おわりに

積み重ねられた歴史の重みと、恐れを知らぬ若き知性。この二つが遠慮なくぶつかり合う『Paramount Quartet』は、ジャズという音楽がいかにして自己刷新を続けるかを示す生々しいドキュメントだ。老いてなお未知の領域へ踏み出そうとするロヴァーノの決意表明は、聴く者の心に深い余韻と、音楽の尽きせぬ可能性を刻み込んでくれるはずである。

アルバム情報

  • パーソネル:
    • Joe Lovano (ts, G mezzo soprano, tarogato)
    • Julian Lage (g)
    • Asante Santi Debriano (b)
    • Will Calhoun (ds)
  • 録音・リリース: 2026年5月29日リリース
  • レーベル: ECM Records
  • 主な収録曲:
    • First Song (Charlie Haden)
    • Lady Day (Wayne Shorter)
    • Fanfare for Unity
    • Amsterdam ほか全編

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Joe Lovano – Paramount Quartet

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