心して聴け! 限りなき探求 マーク・ターナー

Mark Turner  マーク・ターナー  Patternmaster

マーク・ターナーの新作
前作に引き続きECMレーベルから
同一メンバーによる作品
前作は未聴で比較できていないが
数多ある新作群の中で
不思議にも、これは聴いておかなければという
直感が働いた

おそらく聴き込めば聴き込むほど
その楽曲の構成の面白さや
二つの管楽器による即興の相互作用に
魅了されていくような気がする
「伝統的なイディオムの再構築」と
「対位的な即興への飛翔」との
バランス感覚の妙
メカニカルでありながら奔放な雰囲気
名作の気品を備えている

このアルバムのポイントを二つ挙げる
・ジャズの歴史的イディオムへの敬意
・ピアノレスという編成の採用

まず一つ目の
「ジャズの歴史的イディオムへの敬意」
リー・コニッツやジェリー・マリガンらが
築き上げたクール・ジャズの対位法的技法から
パーカーやガレスピーが築いた
ピ・バップの即興的語法
さらにはオーネット・コールマンが挑んだ
和声からの解放まで、ジャズの革新的な語法の
挑戦の流れに敬意をもって
ターナーが信頼を置く仲間と試行錯誤して
新たなイディオムを再構築したような
学究的な匂いがする

もう一つの
「ピアノレスという編成の採用」
ワンホーンの場合、よく和声からの解放を狙い
ピアノレスを採用する例がよくあるが
サックスとトランペットなどの
管楽器のフロント2本による
ピアノレスという編成は
非常に珍しいのではないかと思い
調べてみたら、私の知る限りでは次のとおり

ジェリーマリガンとチェットベーカーの
「The Original Quartet with Chet Baker」(1952)
オーネット・コールマンとドン・チェリーの
「The Shape of Jazz to come」(1959)
コルトレーンとドン・チェリーの
「The Avant-Garde」(1960)
ロリンズとドン・チェリーの
「Our Man in Jazz」(1962)
そしてエルビン・ジョーンズの名作
「Live at the Lighthouse」(1972)
などといった、いずれも革新的なジャズの歩みを
促した歴史的名盤に限られるのである

全曲、ターナーの作曲ということであるが
いずれの曲も雰囲気が異なるテーマ性を備え
聴き飽きない
また、このトランペットのジェイソン・パルマー
恐ろしくストイックかつ学究的でありながら
スポンティニアスなアーティストであり
ターナーとの相性の良さも本当に素晴らしい

音楽を志すものにとっては
ある意味、たまらないサムシングを
備えているアルバムである
何度も何度も繰り返し聴いて
ジャズの新たな地平を感じ取ることができる
非常に示唆的なアルバムであると思う

 

Mark Turner(ts)

Jason Palmer(tp)

Joe Martin(double-b)

Jonathan Pinson(ds)

 

1.Patternmaster
2.Trece Ocho
3.It Very Well May Be
4.Lehman’s Lair
5.The Happiest Man on Earth
6.Supersister

 


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