JOE LOVANO ジョー・ロヴァーノ Garden of Expression
大海原に漕ぎだす一艘の小舟のように

このベースレスという特異な編成のユニット「トリオ・タペストリー」による
演奏は、自分としては、二作目の本作が初体験となる。
以前紹介した、Marcin Wasilewskiとの共演アルバム「」
では、大好きな
なんて贅沢な組み合わせだろうと、心が浮き立ったのを覚えている。
ロバーノの面目躍如たることを、再確認できたのだが、
このアルバムをこのところ繰り返し聴くたびに、
少し大仰なもの言いかもしれないが、
これまで知らなかった、もっともっと深遠で自由で多彩なロバーノの世界に
足を踏み入れた気がする。
ロバーノ自身が、このユニットのメンバーとの交流を
「魔法のような」と表現しているように、
カルメン・カスタルディの非常に繊細でスペイシーなドラミングと、
マリリン・クリスペルの思索的で、どこか浮世離れした静かなピアノが
大海原を漕ぎ出だす一艘の小舟のようなロバーノの茫洋としたテナーを
辿り着いたことのない夢のような世界に導いていく。
正直、昔から私はロバーノのテナーが大好きである。
だから贔屓目に聴いてしまうのかもしれないが、このアルバムを聴いて、
ロバーノの音楽の美しさ、機知、懐の深さの凄さをますます強く感じた。
そして、ロバーノが本当にやりたかったことを、ECMという環境の中で、
実り得ることができたのではとも思う。
このユニットによる今後を注目していきたい。
Joe Lovano(ts)
Marilyn Crispell (p)
Carmen Castaldi(ds)
2019年11月録音
1. Chapel Song
2. Night Creatures
3. West of The Moon
4. Garden of Expression
6. Treasured Moments
7. Sacred Chant
8. Dream on That
9. Zen Like

このアルバム、なかなかいいですね。以前のピアノとギターという違いはあれど、ポール・モチアン・トリオでの演奏も、基本、ベースレスでしたし。タペストリーという言葉が魔力のように音楽に絡んで来るような気がしています。
当方のブログアドレスは下記の通りです。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2021/01/post-303623.html
KUDOさま、コメントありがとうございます。
確かに「タペストリー」という言葉はこのサウンドにピッタリな気がします。アルバムを貫くストーリー性をこの言葉が示しているようですね。
こんにちは。
ロヴァーノさんはジョンスコとバークリー同期ということもあり、共演も多く「実力はあるが、何故か日本では正当に評価されない、いつかはきっちり評価される日が来る」と言われ続けていますがいつか正当に評価される日は来るのでしょうか・・・
私はサックスものあまり聴かない方でしたが、昨年マルチン・ヴォシレフスキ・トリオとのカルテット・アルバム「ACTIC RIFF」で、マルチンのトリオをあれだけの演奏に引っ張り込んだロバーノの実力に驚かされたのですが、このようなピアノとのトリオものもあるんですね、なかなかECM世界で聴かせてくれるところは、私も大いに興味があります。参考になりました。
島梟さま、コメントありがとうございます。
ホントにそうですね。日本ではあまり人気ないですね。
ロバーノのフニョフニョ、フワフワした吹き方が嫌われているのかもしれませんね。まあ好き嫌いなんでしょうけど、僕はフニョフニョのフレーズの連なりに垣間見るセンスの良さとリズム感にいつもやられています。
風呂井戸さま、コメントありがとうございます。
私も「ACTIC RIFF」におけるアブトラクトさもマーチンが触発されている感じか伝わってくるようでとても興奮しました。
このアルバムのビアニスト、マリリン・クリスペルはマーチンと比べれば、控えめで、比較的淡々としているような感じですが、グループエキスプレッションに徹していて実に素晴らしい。全編を通しての完成度が高い様に思います。
zawinulさま、1枚目よりコンセプトがはっきりしていて、
ロヴァーノたちのブレない感覚がとても好きです。
私のリンクもここに置いていきますね。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2021/02/post-23ed83.html
Suzuck様、この三人のギルド的結束はなかなかのもんですね。まさに確固たる「ブレない感覚」から繰り出される音楽の緊張感のあること!